梵鐘は佐伯郡廿日市(現・廿日市市)の鋳物師・山田貞栄の手に成るもので、1688年(貞享5年)の鋳造である。 広島の堺屋見誉道意が、深誉妙意信女(母親と思われる)の菩提を弔うために、広島の長安寺に寄進したものである。 この梵鐘が吉浦の誓光寺に移された理由は不明である。 一説には、長安寺が火事に見舞われたため、縁あって誓光寺に移されたといわれている。 戦時中の金属供出に際して、この鐘は特に保存の要あるとものとして、供出を免れている。
参考資料
- 金指正三,久保田利数,楠見久.呉の文化財.呉,呉市教育委員会,1990,p128-129