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戦艦「大和」の主砲を削り出したとされる大型旋盤が、2022年(令和4年)11月4日、69年ぶりに呉へ帰還した。この旋盤は、旧海軍が1938年(昭和13年)にドイツのワグナー(Wagner)社から輸入し、呉海軍工廠の砲身工場に据え付けられた。この旋盤はシリアルナンバーから15299機と呼称された。戦後、15299機は1953年(昭和28年)に「神戸製鋼所高砂工場(現・高砂製作所)」に払い下げられ、大型タンカー用のクランクシャフトを削り出しに使用された。 1991年(平成3年)最新機の導入により引退式が執り行われ、15299機は数年間神戸製鋼所・高砂製作所の倉庫で保管されていた。その後、1996年(平成 8年)に「きしろ」播磨工場が譲受け、2013年(平成25年)まで大型船舶用プロペラ軸の加工機として使用された。
その後、遊休機械となった15299機であったが、開館当初から高い関心を寄せていた「大和ミュージアム」への寄贈を申し入れた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、年間約100万人の来場者数を記録していた「大和ミュージアム」は来館者数は4分の1の25万人に激減し、「きしろ」播磨工場(兵庫県播磨町)から呉市の「大和ミュージアム」への輸送・設置にかかる財源の確保ができないという問題に直面した。その打開策として2021年(令和3年)8月3日にクラウドファンディングを開始、目標金額 48,000,000円に対しわずか1日で100,000,000円を突破し、最終寄付総額は269,480,000円(寄付者:6,626人)となった。
クラウドファンディングで集まった資金の一部を、「きしろ」播磨工場(兵庫県播磨町)から呉市の「大和ミュージアム」への輸送費にあて、以下工程で輸送が行われた。